ドイツの実情 2015 | Page 96
94 | 95
教 育と研 究
教育と研究
卓越した研究拠点 ∙ ダイナミックな大学の世界 ∙ 野心的な尖端研究 ∙ 研究のネットワーク化
∙ 積極的な対外学術政策 ∙ 魅力的な学校制度
展望
卓越した研究拠点
ドイツは、研究と高等教育にかけては世
界 で も 有 数の 国 で あ る 。世 界 第 3 位 の
80人を超 えるノーベル賞 受 賞 者 がこれ
を象徴している。グローバル 化された世
界では 、知 識こそ最 も重 要な「資 源 」で
ある。研 究・開 発の 伝 統を築いてきたド
イツは 、最 良の頭 脳を擁 することで、国
際 競 争にお いて有 利な位 置につけてい
る。研 究の国ドイツの 特 徴として、研 究
機関は3つの大きなグループに分けられ
る。すわなち、およそ4 00の大 学の緊密
なネットワーク、国 際 的な名声をもつ大
学外の4つの研究 機関、そして産 業 界に
おけるすぐれた研究である。
ドイツは ハイテク製 品 の 輸 出では 世 界
の 貿 易 量 の 1 2 % を 占 め 、欧 州 連 合
(EU)の「イノベーションリー ダー」の
確かな一角を占めている。これもすぐれ
た研究活動のおかげである。ドイツは、
国内総 生 産の2.5%以 上を研究・開 発に
投 資する国 際 的に数 少ない先 進 諸 国の
ひとつである。
さまざまな措 置と改革を通じて、政 治と
大 学は 、研 究 拠 点としてのドイツのさら
なる発展と国際 化に向けたイニシアチブ
を行ってきた 。これには 、例 えば 20 0 8
年に終了した資格認定イニシアチブがあ
る。これは「 教 育 を通してステップ アッ
プ を」をモットーに、生 涯のすべての段
階 で 支 援 を提 供 するものであった 。成
果をあげているその他の措 置として、数
多くの国際 志向の大学院とエクセレンス
クラスターを生み出した「エクセレンスイ
ニシアチブ」や、
「大学協定2020」、
「ハ
イテク戦 略」、
「 研 究・イノベーション協
定 」、あるいは「国 際 化 戦 略」が 挙げら
れ る 。ヨー ロッパ 最 大 の 研 究 国 家とし
て、ドイツは2014 年 、EU加 盟国の先 頭
を切って、欧 州 研 究 領 域(ER A )をさら
に 拡 大 す る 戦 略 を 打 ち 出 して い る 。