ドイツの実情 2015 | Page 82

80 | 81 環 境 、気 候 、エ ネ ル ギ ー シ フ ト は化石エネルギーの利用停止を加速する ことを決定した。完全な「脱炭素化」は、 今世紀中の達成を目指す。気候変動枠組 条約の実施にあたる国連事務局は、ドイ ツのボンに設置されている。 損なわれていない環境― ―清浄な空気、 清潔な水、多様な自然 ― ―は、質の高い 生 活の前 提である。環 境 保 護は 、1994 年、基 本法で国家目標に定められた。大 気の質と水質の指標は、近年、大幅な改 善を見せている。二酸化硫黄や窒素酸化 物などの有害物質の排出は大幅に減少し た。これは石炭 火力発電 所のフィルター や、自動車の触 媒を導入したおかげでも ある。1人あたりの飲料水使用料も、かつ ては1日あたり最高140リットルを超えて いたが、今ではおよそ120リットルへ、明 らかに減少している。 ドイツは、経済成長と環境保護を両立さ せて持続可能な経済運営を実現する戦略 を追求している。再生可能エネルギーの 拡充のほか、エネルギー効率と資源効率 の向上、再生可能原料のインテリジェント な利用が、その主な方策である。これは二 重の利益を生み出す戦略である。環境や 気候 への負 担が減る一方で、他 方、同時 に新しいビジネス分野や雇用が生み出さ れるからである。 ネ ット UNFCCC 国連気候変動枠組条約事務局 → unfccc.int BMUB 連邦環境・自然保護・建設・原子炉安 全省 → bmub.bund.de BUND ドイツ環境自然保護連盟 → bund.net 風力発電と太陽光発電は、 ドイツで最も重要かつ最も低価格な再生可能エネルギーの供給源である