ドイツの実情 2015 | Page 54
外交
カ国でドイツ開発援助の重点項目となっ
ている。
2012年から、ドイツはスイス・ジュネーヴ
の国連 人権理事会の2回目の理事国とな
っており、2016年~2018年の任期に向
けて再選を目指している。2015年には、
ヨアヒム・リュッカー大使がドイツ人とし
ては初めて理事会の議長職についた。リ
ュッカー大使は、人権理事会の47国の中
から1年の任期で議長に選ばれた。人権
理事会のとる重要な手段として、
「各国の
普遍的・定期的レビュー」がある。レビュ
ーにあたっては、すべての国 連 加 盟国が
人権に関わる義務の履行について報告書
を作成し、批判的な審査を受ける。ドイツ
はこの手続を2009年と2013年に通過し
ている。
ドイツは、欧州評議会の47加盟国の中で
も最も活動的な国のひとつである。欧 州
評議 会は、人権、法 治主義、および民 主
主義をヨーロッパ全域で保護し、促 進す
ることに取り組んでいる。欧 州人権 条 約
などの主要な条 約を通して、欧 州評議 会
グラフ
ドイツは政府開発援助の重要
かつ大型の拠出国であるばか
りでなく、人道支援の分野で
も、重要な拠出国として積極
的に貢献している。
は欧州共通の法的領域の発展に貢献し、
欧州大陸における拘束力ある共通の基準
や価値の遵守を監視している。
国際的な人権政策の手段
ヨーロッパにおける人権実現に向けた欧
州評議会の中心 機関は、フランス・ストラ
スブールの欧 州人権裁判所(ECtHR)で
ある。欧州評議会の47加盟国のいかなる
市民も、欧州人権条約で保護された権利
が 侵 害され れば 、欧 州 人権 裁 判 所に直
接、訴えることができる。ドイツは、すべて
の欧 州評議 会加盟国が 欧 州人権 裁判所
の審決を受け入れ 、義 務に適って行動す
ることを強く支持している。オランダのデ
ン・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)は、
戦争犯罪や、人道に対する犯罪、集団殺
害など、重大な国際犯罪の国際刑事法的
処罰を管轄する。ドイツはICCが幅広く認
知されるよう尽力している。
連邦政府の人権政策ならびに人道支援の
担当委員を務めるクリストフ・シュトレッ
サーは、外務 省に籍を置く。彼は国際 的
政府開発援助のための支出(10億米ドル)
アメリカ
32.73
イギリス
19.39
ドイツ
16.25
フランス
10.37
日本
9.19
出典: OECD / DAC
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