ドイツの実情 2015 | Page 166

164 | 165 人 々 の 暮 らし テーマ スポーツの挑戦 ドイツはスポーツの盛んな国であり、スポ ーツの 分 野で 数 多くの成 果 をあげ てき た。オリンピック大 会の歴 代メダル獲 得 数 で も 、ド イツ は メ ダ ル 総 数 1 , 6 8 2 (2014年現在)でアメリカ合衆国とロシ ア連邦に次いで第3位である。ドイツでは およそ2,800万人が91,000あるスポーツ クラブの会員になっている。スポーツクラ ブはスポーツに関わるばかりでなく、重要 な社会的機能や社会参加の機能を持って いる。特に若年労働や社会的統合との関 わりで、スポーツクラブはフェアプレイ、 チーム精神、寛容といった理 念を伝える 役割を果たしている。住民の国際化が進 む中で、スポーツクラブの活動は、移民の 社会統合という観点からますます重要性 を増している。移住を背景とするメンバー が チ ーム に 所 属 す る ク ラ ブ は お よ そ 60,700。全体として、約170万人の移住 を背景とするメンバーがスポーツクラブに 所属している。それでも、移住を背景とす る人々のグループが 組織スポーツで果た す役割は、まだ少な過ぎる。 ド イ ツ・オ リ ン ピ ッ ク ス ポ ー ツ 連 盟 (DOSB)のプログラム「スポーツを通し た社会統合」では、移民の流入を、ドイツ のスポーツシーンを豊かにするものと考 えている。このプログラムの活動では、今 後、これまでスポーツではあまり表 立っ ていなかったグル ープ、例えば少女や成 年女 性に重 点を置く。ブンデスリーガ財 団ならびにドイツ・サッカー連盟(DFB) と共同して、連邦政府も社会統合運動を スタートした。支援するのは、スポーツに おける難 民 の 統 合を目指す 持 続 可能な プロジェクトである。そのひとつが、ドイ ツ・サーカー 代 表 チームがサポートする プロジェクト「歓 迎のための1対 0」であ る。難 民のために活動するおよそ600の サッカークラブが財政的な支援を受けて いる。 マ イ ル スト ー ン 1954 サッカーワールドカップのスイス 大会で、 ドイツは決勝でハンガリ ーを3対2で破り、初の世界チャ ンピオンとなる。 この「ベルンの 奇跡」は戦後ドイツのゆるぎな いシンボルとなった。 1972 夏季オリンピック大会がミュン ヘンで開催。 しかしパレスチナ のテロリストによるイスラエル 選手の人質殺害事件が陰を落 とした。 1988 シュテフィ・グラフが史上初のい わゆるゴールデンスラムを達 成。 これは4つのグランドスラム 大会とオリンピック金メダルを 同一年内に制覇するもの。