ドイツの実情 2015 | Page 106
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教 育と研 究
が開発されてきた。ハイテク戦略の研究プ
ロジェクトにより、省エネLEDライトから、
患者の成長と共に大きくなる心臓弁にい
たるまで、数多くの開発が行われている。
ハイテク戦略は当初、具体的なテクノロジ
ー分野における市場可能性を特に優先し
ていたが、2010年からは、将来的なソリュ
ーションとその実現に対する社会的需要
に焦点をあてている。
プクラスターから900の革新技 術、300
の 特 許、450 の 博 士 論 文と教 授 資 格 論
文、1,0 0 0のバチェラー論 文とマスター
論 文、4 0の 会 社 設 立 が 実 現され た 。ド
イツでは公 的 な財 政 支 援を受ける研 究
施 設 が 合 わ せ て 8 0 0 以 上 活 動 して い
る。研 究シーンの柱となるのは 、大 学 の
ほか、特に4つの大学外の大 規模 研究機
関である。
2014 年 、ハイテク戦 略はあらたに定義
し直された 。これによれば 、ハイテク戦
略 は 今 後、未 来 の可 能 性 を 秘 めたテー
マに取り組み、すぐれた着想をすみやか
に実 現してイノベーションをもたらす研
究 者 を サ ポ ートす ることに なる 。そ の
際 、よりどころとなるのは6つの重 点領
域 、すなわちデジタルな経 済と社 会、持
続 可 能 な 経 済 運 営とエネル ギ ー 、革 新
的な労 働 界、健 康な生 活、インテリジェ
ントなモビリティ、そして市民 の 安 全 性
であ る。ハイテク戦 略 の 一 環として、3
度にわたるコンクール を通して、特 別 助
成を受ける15のトップクラスターが 選ば
れた。2014年の評価によれば、このトッ
卓越した大学外
研究所
1948年に設立されたマックス・プランク
協会(MPG)は、大学外における最も重
要な自然 科 学・生物 科 学・精神 科 学・社
会 科 学 のための 基 礎 研 究センターであ
る。5,600人の研究者(うち40%は国際
的な研 究者)がドイツ国内に78 、そして
ドイツ国 外ではオランダ、ル クセンブル
ク、イタリア、アメリカにさらに5つあるマ
ックス・プ ラン ク研 究 所 で 活 動 して い
る。設 立以 来、マックス・プランク協会の
研 究 者に 授与され たノーベ ル賞は 合わ
せて18におよぶ 。22の 分 野における引
マ イ ル スト ー ン
1995
電気工学の専門家で数学者のカ
ールハインツ・ブランデンブルク
を中心とするチームが、
エアラン
ゲンのフラウンホーファー研究
所で、
MP3方式によるオーディオ
データ圧縮技術を開発。
今日、
世
界のスタンダードとなっている。
2005
エクセレンスイニシアチブが各
地の大学で高い評価を受ける。
大学外の研究機関については、
研究・イノベーション協定による
助成が行われる。
さらに、
2007
年、
連邦と州の間で初めて大学
協定が締結される。
2008
ギガバイトハードディスクへの
ブレークスルーを可能にした巨
大磁気抵抗効果の発見から9
年、
ドイツのペーター・グリュー
ンベルクとフランスのアルベー
ル・フェールがノーベル物理学
賞を受賞。