JAPAN and the WORLD Magazine OCTOBER ISSUE 2015 #Issue 13 | Page 42
BELGIUM
FRANCOPHONIE
占める食料品の割合はたいして多くありません。
ベルギーにおけるバイオ産業のビジネス環境は
非常に整っています。労働者は有資格者で多言
語を操り、政府はR&Dに多数のインセンティブ
を用意しています。そして、大学や病院は最高ク
ラスです。他の主要セクターとしては、
ナノテクノ
ロジーや応用研究があり、
この数年間、喜ばしい
ことに多くの協力や提携が行われている分野で
す。規模は全く異なるとはいえ、
日本企業がベル
ギー企業から国際化の方法について学べること
は多いはずです。
ベルギーと日本は、経済成長だけ
でなく国民のための社会福祉シス
テムにおいても確固たる信念を共
有しています。私たちの経済は連結
しているのです。
ベルギーと日本は、経済成長だけでなく国民の
ための社会福祉システムにおいても確固たる信
念を共有しています。私たちの経済は連結してい
るのです。
The AGC (Asahi Glass Corporation) plant in Roux, Belgium.
Credits: AWEX – WBI – CGT – WBT 2015
非常に積極的な役割を担っていることは明白で
すが、
その点についてもう少し詳しくお話を伺え
ますか?
OIFの平等性と加盟国の間で示され
る尊重性は他に類を見ないもので
あり、
こうした特性から各国間で現実
的な話し合いが可能となっています。
ご存知の通り、OIFには2つの局面があります。
フ
ランス語圏文化と、
より一般的な文化的・言語的
多様性を振興する機関であると同時に、加盟国
が共有する価値観、
すなわち平和、民主主義、人
権を守るための政治組織でもあります。
目的は、
文化・教育交流や持続可能な発展に向けた協力
によって、平和と理解を促進することにあります。
したがって、単なるフランス語圏の国々の集まり
という枠を超えたものであり、現在では54の加
盟国、23のオブザーバー、3の準加盟国を数え、
世界中に広がっています。OIFの平等性と加盟国
の間で示される尊重性は他に類を見ないもので
あり、
こうした特性から各国間で現実的な話し合
いが可能となっています。
ベルギーは、現 在のフランコフォニー 国 際 機
構(Organisation Internationale de la
Francophonie)の前身となる機関が1970年
に設立された時の加盟国でした。連邦構成上の
関係から、2005年以降、
ベルギーはこの国際機
関内で2席を確保しています。1つは連邦政府、
も
う1つは国内のフランス語圏地域を代表する連
邦体「フランス語共同体」用の席です。両者は積
極的にフランコフォニーの全活動に参加してい
ます。特にこの夏、若者がフランス語で交流する
大規模なイベント、
「若手フランス語圏フォーラム
41 // OCTOBER 2015
(Forum mondial de la langue française)
」の第2回となるイベントがベルギーのリエージ
ュで開催されました。
日本でも、
フランコフォニーはさまざまな形で存
在しています。TV5Monde(フランス語の国際テ
レビチャンネル)
の視聴も可能です。
また、
日本で
のフランコフォニー振興を目的として、OIF加盟
国の大使館が共同で会議を設立しています。毎
年、東京と京都で3月20日前後に開催されるフ
ェスティバルで
「国際フランコフォニーの日」
を祝
っています。近年、
日本では英語以外の言語、特
にフランス語を使ったコミュニケーションへの関
心が高まっており、
その背景には2020年に開催
される東京オリンピックの影響も含まれます。
だ
からこそ、安倍総理は、
この夏ベルギーのリエー
ジュで開催されたフォーラムへの日本の若者の
参加を後押しするというミシェル首相の意見に
賛成したのです。
日本の若者が参加してくれたこ
とは、世界中から来ている他の参加者に対して
「
日本にもフランス語の愛好者がいる」
ということ
を示す素晴らしい機会となりました。
昨年の5月、経済連携の強化と両国間の対外投
資増加を目的として、ベルギー企業家連盟(FEB)
の会長、
ミッシェル・シウン女史と駐ベルギー特
命全権大使の坂場三男氏が会談を行いました。
こういったビジネス機会を深めていくうえで克服
すべき主要課題を教えてください。
課題はさまざまです。
ベルギーも日本も成熟経済
であり、
生産コストが高いため、
投資家は、
最先端
技術や、
知識が決定打となる生命科学などの産業
に関心を寄せる傾向があります。
日本において、
ベ
ルギーは、
ビールやチョコレートなど良質な食料
品のイメージがありますが、実は対日本の貿易で
だからこそ、
日本もベルギーも、経済成長につな
がる対外投資を促進しています。2015年、ベル
ギーは東京で投資セミナーを開催し、
ミシェル
首相とペータース副首相が基調講演を行いまし
た。2016年、主要EU機関が位置する都市ブリュ
ッセルにおいて、安倍総理が投資先として日本を
プロモーションする予定です。
Belgian Beer Weekend event in Japan.
Credits: Belgian Beer Weekend Japan