ドイツの実情 2015 | Page 47

の不 可侵と紛 争 の平和 的 解決で 合意し ている。 OSCE:欧州の平和と安全保障のための 中心的フォーラム OSCEは今日、ヨーロッパ、北アメリカ、中 央アジアの57の加盟国を擁しており、集 団的安全保障のための地域組織としては 世界最 大である。ウクライナ危 機におい ては、対話と信頼 形成のための中心的フ ォーラムとしてのOSCEの意義があらため て明らかになった。OSCEは、特に三者連 絡グループの枠内における政治的協議の 調整を通して、ウクライナ紛争の平和的解 決に向けた努力をサポートしている。 さらにOSCEは、数百名の民間監視 員を ウクライナに派遣している。彼らは例えば 東ウクライナ紛争地域で、2014 年9月と 2015年2月のミンスク合意で取り決めた 停戦の遵守を監視し、部隊や武器の撤退 を検証している。紛争の防止と民主化支 援のために、OSCEはそのほかさまざまな 国で継 続 的にミッションを遂 行し、関 係 諸国に定期的に選挙監視員を派遣してい る。ドイツもこれを支援している。 軍縮と軍備管理のための尽力 ドイツ外交は、軍縮、軍備管理、核兵器の 不拡散を重要視している。核兵器のない 世界を明白に支持し、その際、現実的なア プローチを追求している。国連安全保障 理事会の5つの常任理事国と共同して、ド イツはE3+3協議の枠内で、イランの核開 発計画に関し、イランとのウィーン合意の 締結に向けて積極的な貢献を果たした。 ドイツは引き続き、重要な国際的協定・合 意 の 普 遍 性 と 実 現 に 取 り 組 んで い く。2014年~2015年には、シリアから運 び 出さ れ た化 学 兵 器 の廃 棄に関 わっ た。2013年~2016年には、ドイツは、20 を 超 え る パ ートナ ー 諸 国 が 参 加 す る 2,400万ユーロ規模のバイオセーフティ改 善プロジェクトを実施する。このほか、ド イツは2014年、13カ国における地雷除去 と地雷被害者に対する支援プロジェクト におよそ1,320万ユーロを拠出した。これ により、この分野では最大の拠出国となっ ている。余剰の兵器や弾薬の廃棄、危殆 化した在 庫の安 全な保管も、ドイツが 政 策上、重視している問題である。OSCEの 枠内で、通常軍備の管 理や、信 頼と安定 を構築するための措置は、きわめて重要 である。ドイツはこうした措置を最新の課 題に合わせて近代化し、適合するよう努 力している。 グローバル アームド・コンフリクト・サーベイ2015 戦争犠牲者の数は近年、大幅に増加 していると、 ロンドンの国際戦略研究所 (IISS) は報告している。2008年と 2014年を比べると、武力紛争の数は 63から42に減少したにもかかわら ず、戦争による死者数は56,000人か ら180,000人に増加した。2013年に は、世界中で5,000万人以上が難民と なっている。 これは第ニ次 世界大戦終結後、初めての ことである。 → iiss.org