ドイツの実情 2015 | Page 40

38 | 39 外交 外交 シビリアンパワーとしてのドイツ ∙ 平和と安全保障のための取り組み ∙ 欧州統合の擁護 ∙ 人権の保護 ∙ 持続可能な開発 展望 シビリアンパワーとしてのドイツ ドイツは国際政治と緊密かつ多面的に結 びついている。ドイツは200近い国家と 外交関係を結び、重要な多国間組織には すべて加盟し、また非公式の国際協力グ ループG7やG20の一員でもある。外務大 臣は、2013年から、フランク=ヴァルタ ー・シュタインマイアー(SPD)が務めてい る。彼は2005年から2009年までも外務 大臣の職にあった。ベルリンを中心とする 外務行政組織では、およそ11,230人が活 動している。ドイツの在外公館の数は、合 わせて227である。 ドイツ外交の第一の目標は、世界の平和 と安全保障の維持であり、その基 本 軸の ひとつは、多国間協力構造への幅広い統 合である。具体的には、欧州連合(EU)に おけるフランスとのパートナーシップ、アメ リカ合衆国との環大西洋同盟の価値共同 体への立脚、イスラエルの生存権の支持、 国連(UN)や欧州評議会における積極的 で責任ある活動、そしてOSCEの枠内での ヨーロッパの安全保障体制の強化が挙げ られる。 パートナー諸国と手を組んで、ドイツは世 界中で平和、安 全保障 、民主主義、人権 のために力を尽くしている。ドイツのかか げる安全保障の概念は拡大されたもので あり、戦争の防止、軍縮、軍備管理といっ