ドイツの実情 2015 | Page 40
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外交
外交
シビリアンパワーとしてのドイツ ∙ 平和と安全保障のための取り組み ∙ 欧州統合の擁護
∙ 人権の保護 ∙ 持続可能な開発
展望
シビリアンパワーとしてのドイツ
ドイツは国際政治と緊密かつ多面的に結
びついている。ドイツは200近い国家と
外交関係を結び、重要な多国間組織には
すべて加盟し、また非公式の国際協力グ
ループG7やG20の一員でもある。外務大
臣は、2013年から、フランク=ヴァルタ
ー・シュタインマイアー(SPD)が務めてい
る。彼は2005年から2009年までも外務
大臣の職にあった。ベルリンを中心とする
外務行政組織では、およそ11,230人が活
動している。ドイツの在外公館の数は、合
わせて227である。
ドイツ外交の第一の目標は、世界の平和
と安全保障の維持であり、その基 本 軸の
ひとつは、多国間協力構造への幅広い統
合である。具体的には、欧州連合(EU)に
おけるフランスとのパートナーシップ、アメ
リカ合衆国との環大西洋同盟の価値共同
体への立脚、イスラエルの生存権の支持、
国連(UN)や欧州評議会における積極的
で責任ある活動、そしてOSCEの枠内での
ヨーロッパの安全保障体制の強化が挙げ
られる。
パートナー諸国と手を組んで、ドイツは世
界中で平和、安 全保障 、民主主義、人権
のために力を尽くしている。ドイツのかか
げる安全保障の概念は拡大されたもので
あり、戦争の防止、軍縮、軍備管理といっ