ドイツの実情 2015 | Page 169
ルで開催されたFIFAサッカーワールドカッ
プで優 勝して以 来、ドイツはFIFA世界ラ
ンキングで1位を占める。ヨアヒム・レー
ヴ監督率いるチームは、柔軟な戦術を展
開することで 知られ 、現 代 サッカーを象
徴するチームである。チームの主力には、
移 住を背景とする選手も多い。ジェロー
ム・ボアテング、サーミ・ヘディーラ、メス
ト・エジルらがそうである。
さまざまな種目でのスポーツの功績
グローバル
アンチドーピング運動
1999年、世界アンチドーピング機構
(WADA)
が設立され、あらゆる関係
者はドーピングに対する非寛容方針を
表明した。
これにともない全世界で通
用する統一的な規則の必要が生じた。
これは2003年、世界アンチドーピン
グ規程(WADC)
として初めて実現さ
れた。最新の世界アンチドーピング規
程は2015年1月1日に発
効したものである。
→ wada-ama.org
サッカー以外でも、体操、テニス、射撃、
陸上、ハンドボール、乗馬などの種目に人
気がある。しかし他のスポーツ種目も盛ん
である。例えばフランクフルト・アム・マイ
ンのJ.P.モルガン・コーポレート・チャレン
ジがある。これはさまざまな企業が 参加
するチャリティジョギング大会で、2,780
以上の企業から70,000人以上が参加す
る世界最大のジョギング大会である。
スポーツは、さまざまな面で大きな成 果
を挙げているが、これに重要な役割を果
たしているのがスポーツに対する助成で
ある。助成を受けているスポーツ選手は
およそ3,800人。ほとんどすべてのオリン
ピック種目のほか、オリンピック以外の伝
統のある種目や、障害者スポーツ、難聴者
スポーツの選手である。ハンディキャップ
のある選 手 への助 成 も重 要な課 題であ
る。この分野でも、ドイツのスポーツ選手
は国際競技大会やパラリンピック大会で
近年、1,492のメダルを獲得し(2014年)
、並外れた成績を収めている。
「人が動き、国境を超える」。これは外務
省の国際スポーツ振興事業がかかげる標
語である。国際スポーツ振興事業は対外
文化・教育政策の確固たる構成要素であ
り、これまですでに100を超える国々で、
さまざまなスポーツ 種目にわたっ
て、1,400の短期・長期プロジェクトが実
施された。一例だけ挙げると、スポーツプ
ロジェクト「戦いではなくサッカーを― ―
寛容のためのプレー」では、少年サッカー
と青年サッカーに関わる16人のパレスチ
ナ人サッカー監督に指導を行った。暴力的
な闘争に苦しみ続ける青少年が、プレー
を通して、フェアプレイの精神で事態に対
処することを学ぶことを図っている。こう
した事例、あるいはまた他のさまざまな
道を通じて、ドイツ・スポーツは、危 機回
避と民 族 理 解の手段としても、公正、寛
容、統 合、それに平和 的な競 争と達 成を
伝える使者としても、最高の成果をあげよ
うと努めている。