The Doppler Quarterly (日本語) 秋 2016 | Page 6
クラウドのROIに関する重要課題
Mike Kavis
クラウド戦略の実施において成功を収めている企業は、極めて
高い投資利益率 (ROI) を実現できます。Doppler Quarterly
ROI に関する主な重要課題とは
春号の特集記事「クラウドの経済性 - より大局的な視点の重 社内抗争
くの方法について概説しました。 いつの世にも社内抗争が存在します。これほど進行の妨げとな
要性」では、クラウドにおいて十分な ROI を達成するための多
次に挙げる削減を達成するため、企業は自社のクラウド戦略を
迅速かつ効果的に実施する必要があります。クラウドへのレガ
シーアプリケーションの移行にかかる時間が長くなるほど、全
体的な ROI は低下します。クラウド移行プロジェクトは、往々に
して、予想以上に長くかかるものです。その場合は、既存のイン
フラストラクチャの廃止にかかる時間が長くなるため、稼働中
の IT のコストが増加します。それと同時に、多くの場合は管理
が不十分な新しいクラウドリソースにより、全体的な IT 費用も
増加し始めます。
るものもありません。このような社内抗争にはさまざまなもの
があります。クラウドの実行可能性に関して要職間で意見の相
違が生じることもあれば、クラウド導入の推進者がデータセン
ター管理者と直接的に対立する立場にあることもあります。ク
ラウド導入を実現するには、あらゆる分野の専門知識を取り入
れたコラボレーションが必要となるため、そのような状況では
進行が極めて困難となります。
セキュリティチームと開発チーム間での対立がある場合も、不
必要な軋轢が生じ、導入を鈍化させる不要な障害となります。
ハード面での削減
ソフト面での削減
• コンピューティング、ストレージ、ネットワーキ • 同じクラウドサービスを使用してソリューションを定義し、再定義す
• ハードウェア および ソフトウェアの 購 入 • 開発者の生産性の向上
ング、およびセキュリティに対する費用の削減
(CapEx) の回避
• 運用コスト ( バックアップおよび DR/DC) の
削減
• 運用指向の担当者の削減
ることを可能にする、サービスおよびアプリケーションの再利用
• 顧客満足度の向上
• クラウドベースのリソースの使用に基づく授業員の意欲の改善
• 新たに生じる機会に応じてビジネスプロセスを迅速に変化させる
能力
• 世界規模への範囲の拡大
4 | THE DOPPLER | 2016 年秋号