The Doppler Quarterly (日本語) 秋 2016 | Page 32
従来型のソフトウェア クラウドネイティブソフトウェア
スケールアップ/垂直 スケールアウト/水平
モノリシック、密結合 分散型、疎結合、サービスベース
ステートフルでサーバーに依存 ステートレスでサーバーに
依存しない
ピーク時に備えて
容量を事前にプロビジョニング 最小限のプロビジョニング/
オンデマンドで容量を提供
ハードウェア依存型の
可用性機能/従来型のDR ソフトウェア管理型の可用性機能/
継続的運用
ウォーターフォール型、
デリバリサイクルが長い、手動 リーン/アジャイル、
継続的デリバリ、自動化
開発と運用を明確に区別 DevOps/サービスオペレーション
ポータビリティではなく、市場投入期間を重視
新しいソリューションを構築してビジネスを推進する際に、より重要となるのは市場投入期間
でしょうか。または、クラウドロックインの回避でしょうか。価格設定やその他の理由によりク
ラウドを切り替える必要がある、理論上の将来的な事態を、顧客が重視していることは多々
あります。これは正しいアプローチではないため、多くのイノベーションプロジェクトにおいて
遅れが生じたり、市場に到達する前にキャンセルとなることさえもあります。
AWS、 Google、および Azure はいずれも優れたプラットフォームであり、市場投入期間の
劇的な短縮を実現するイノベーションサービスです。たとえば、 AWS Mobile Hub、 Google
Firebase、 Azure App Service はいずれも、クラウドベースのバックエンドサービスに関連付
けられたクロスデバイスソリューションの提供を加速します。
クラウドのネイティブ機能を使用するその他の理由は、次のとおりです。
パフォーマンス - パブリッククラウドのネイティブ機能により、非ネイティブ機能を使用する
場合と比べてパフォーマンスの向上を実現できます。たとえば、自動スケーリング機能やロー
ドバランシング機能と連携する I/O システムを処理できます。
効率性 - クラウドネイティブアプリケーションでのクラウドネイティブ機能および API の使
用により、基盤となるリソースをより効率的に使用できます。これは、パフォーマンスの向上や
コスト削減につながります。
コスト - 一般的に、より効率的なアプリケーションでは、実行するためのコストが低くなりま
す。クラウドプロバイダーは、消費したリソースの量に基づいて毎月の請求を行うため、少ない
リソースで大きい成果を達成できれば、コストの削減につながります。
拡張性 - アプリケーションはネイティブクラウドインターフェイスに書き込むため、クラウドプ
ラットフォームの自動スケーリング機能やロードバランシング機能に直接アクセスすることも
できます。
30 | THE DOPPLER | 2016 年秋号