The Doppler Quarterly (日本語) 春 2018 | Page 20

6 つの主要なイネーブラー これらの各ユースケースで必要となるデータの種類は、一般的 イネーブラー #1 - 価値の高いデータの収集 や依存関係の詳細情報まで、それぞれに異なります。 企業は、自社のアプリケーション資産を把握しておく必要があ それぞれの分析で何が必要なのかを正確に定義するための ります。CTP は、コンテキスト、収集するデータ、データの利用 方法、および最終的な成果を事前に定義することに重点を置 いた、 「価値の高いデータの収集」が非常に重要であると考え ます。 移行のイニシアチブを進めるにあたっては、自社のポートフォリ オを深く掘り下げて調べる必要があります。ここでは、検出と分 析を通じて主なビジネスの推進要因と具体的な目標を明らか にします。これらの目標に基づいて、資産、アプリケーション、 およびインフラストラクチャレベルでの分析、さらには各コン ポーネントに固有の分析の対象を絞り込みます。CTP では、 すべての組織がさまざまなビジネスの推進要因に基づいて、こ れらの各レベルで分析を行うことを推奨しています。 一般的なユースケースは、以下のとおりです。 • 環境全体の移行に関する総合的な戦略の定義、共通する パターンの把握、最初に移行する対象の特定 ( 資産レベル の分析 ) • 事業部門の特定のアプリケーションポートフォリオの課題 への対処 ( アプリケーションレベルの分析 ) • ミドルウェアやデータベースの移行といった、特定の課題へ の対処 ( コンポーネントレベルの分析 ) • インフラストラクチャ中心の分析が必要となる場合がある、 「データセンターからの移行」などのより具体的なビジネス の推進要因への対処 18 | THE DOPPLER | 2018 年春号 なアプリケーションの情報から資産の詳細、アーキテクチャー データモデルの作成は、頭を悩ますようなことではないものの、 多くの組織がその作成に苦労しています。必要な情報が見つか らなかったり、膨大なデータに圧倒されたり、データを収集す るのに時間と労力がかかったりといった、さまざまな問題に直 面しています。 CTP では、組織が事前に時間と労力を費やし、以下の要件に 従ってユースケースを定義するデータモデルを作成しておくこと を推奨しています。 • 資産情報 • その他の分析属性 • データ収集メカニズム データ収集メカニズムは、セルフサービス方式のアンケートか ら検出 / 監視ツール、 CMDB のソースに至るまで、多岐にわた る場合があります。多くの検出ツールには、コスト分析、アーキ テクチャーの提案、プラットフォームの提案といった、分析のた めの追加機能が含まれています。 要約すると、組織はユースケース、資産の詳細、および分析で 重要となるその他の機能データを適切に定義することにより、 価値の高いデータを収集できるようにしなければなりません。 また、必要なデータをすべて収集してレポジトリで維持し、必 要に応じてその後の分析や最終的な移行の段階で使用でき る、強力な検出メカニズムも必要です。