The Doppler Quarterly (日本語) 春 2017 | Page 9

クラウドストームの後の静けさ AWS S3の障害に対するCTPの見解 Mike Kavis 2 月に発生した AWS の障害は、クラウドプロバイダー に関係なく障害に備えた設計が必要であることを実証 しています。 私は 2008 年からパブリッククラウドを利用しています。初期の頃の AWS では、大規模 な障害が年に 2、 3 回発生することが珍しくありませんでした。最近では、障害の発生は きわめてまれです。次に示すのはここ数年間で発生した重大な問題です。 • 2013 年、 EBS ( エラスティックブロックストア ) API が利用不可になり、実質的に多数のア プリケーションと企業のサービスが数時間停止しました。 • 2015 年、 DynamoDB が利用不可になり、その API を活用する企業に障害が発生しま した。 • 2016 年、 Dyn が DDoS 攻撃の影響を受けました。AWS は Dyn の使用をすぐに停止し、 他のプロバイダーにトラフィックをルーティングしました。このため、ユーザーの巻き添え 被害は最小限に抑えられました。 • 2017 年、 2 月 28 日、人為的なミスにより、 S3 (Amazon の Simple Storage Service) の 大規模な障害と、その他の多数の AWS API における連鎖的なパフォーマンスの問題が 発生し、多くの企業で障害が発生しました。 過去 4 年間で最も大きな影響を顧客に与えたのは、この直近の障害です。当然のように、 ソーシャルメディアやブログスフィアは、そうした問題を解決するのはハイブリッドまたはデー タセンターであると反応しました。これを聞いて、サーバー支持者たちは「それ見たことか」 と 喜びました。この人たちは、ビジネス価値を高めることもなく、何百万ドルもするインフラスト ラクチャをただ再利用している人たちです。 私の意見はこうした主張とはまったく反対です。解決策は常に、投資先のクラウドプロバイ ダーでの「障害に備えた設計」 にあると考えます。 2017 年春号 | THE DOPPLER | 7