The Doppler Quarterly (日本語) 夏 2016 | Page 59
ソフトウェアの開発は、ビジネスにもたらされる影響の重大な特質を考慮して、厳格な
制御プロセスと長期間にわたる承認サイクルが設けられた、静的な変更管理プロセス
の中で行われてきたため、Cloud Business Office (CBO) が必要です。
企業の内外のクラウドプログラムに関する意思決定とコミュニケーションで中心的な役
割を果たす CBO は、
「クラウドの Center of Excellence」の枠を超えた、最初の実
装から継続的な運用に至るまでの、クラウドプログラムのあらゆる側面の管理と指導
を行う恒久的な運用 / 管理組織です。
CBO のメンバーは、常勤と非常勤の 2 つのカテゴリに分類され、常勤の CBO メンバー
は、リーダーとして、常に組織におけるクラウドの確実な導入、実装、管理に責任を
負います。常勤の CBO メンバーは、以下のとおりです。
• クラウドプログラムリーダー
• 技術運用リーダー
• チーフアーキテクト
• セキュリティ運用リーダー
一方、リーダーとしてクラウドプログラムの成功に大きく関わり、プロセスを監視する必
要がある非常勤の CBO メンバーは、以下のとおりです。
• 法務およびリスクリーダー
• HR リーダー
• 調達
• IT 財務
• アプリケーションオーナーと事 業 部 門 ( 事 業 部 門 に関しては、 オンボー
ディング プ ロセスで 短 期 間 常 勤 メンバ ー の 役 割 を 果 たす 場 合 が ある )
クラウドは、IT の使用および運用方法を完全に変えました。アジャイルな性質を持つ
クラウドテクノロジーは、企業に大きなメリットをもたらすとともに、組織内のほぼすべ
ての部門に影響を与えるうえ、クラウドでは、管理と運用に必要な人員がオンプレミス
の環境よりはるかに少なくて済むため、より緊密に連携するチームを編成してサイロを
解消する必要があります。また、運用、開発、インフラストラクチャ、リスク、および
財務を集約することになるため、以下を含む一元的なプロセスを確立しなければなりま
せん。
• プロジェクト管理
• 技術に関する意思決定
• アプリケーションオーナーのオンボーディング
• 技術トレーニング
• リスク/ セキュリティに関する意思決定
• 組織的な変更管理とトレーニング
• 財務管理
• オペレーショナルサービスおよびガバナンス
• ベンダー管理
2016年夏号 | THE DOPPLER | 57