The Doppler Quarterly (日本語) 冬 2018 | Page 62

適切な人材の確保 この第 3 の課題は、いくつかの要素が関わっているため、対応が最も困難と言えるかもしれ ません。 まず、 AI には非常に多くのスキルセットが必要となります。すべての不確定要素を確認した結 果、クラウドサービス、データストレージ、データ移行、サードパーティのデータソース、数学、 統計学、プログラミング、グラフィックスなど、多種多様なスキルが求められることが分かりま した。多くの企業は、こうしたスキルをすべて併せ持つ、伝説上の「データサイエンティストの ユニコーン」 を探し求めていますが、そのような人材は非常にまれです。多くの場合、自社独自 の取り組みに必要とされる特定のスキルを定義してから、それぞれ 1 つか 2 つのスキルに熟 達したスタッフで構成された、さまざまなトレーニングを積んだチームを構築することを目指 す方が生産性が高まります。 次に、こうしたトレーニングは比較的新しいため、 AI 分野での経験が豊富な人材を見つける ことは困難です。データを生成し、それを蓄積し始めたスピードを考慮すると、教育システム では、正規のトレーニングを受け、求められるさまざまスキルで経験のあるデータサイエン ティストを生み出し始めたばかりです。こうした人材は元々、大企業の文化には不慣れです。 このため、独学で学んだスタッフにサポートを求めなければならない場合があります。またこ 60 | THE DOPPLER | 2018 年冬号