The Doppler Quarterly (日本語) 冬 2018 | Page 3

ドップラー効果 Google で「知られたくないクラウドの秘密」 を検索してみると、いくつかの記事がヒットし ます。これらの記事は、企業の IT チームが大 規模なパブリッククラウド変革プロジェクトを 推進する際に直面する、ちょっとした密かな 「驚き」 について市場の理解を深める目的で執 筆されたものです。2014 年 5 月の Forbes 誌 のある記事では、大規模かつ複雑な IT 組織 において、セキュリティ、将来の運用モデル、 エンジニアの育成などの領域に対する考え方 を大きく変える必要があると指摘されていま した。話を現在に戻すと、こうした内容はもは や「知られたくない秘密」でもなければ、驚く べきことでもありません。 長年にわたって、 The Doppler はクラウドの 変革に潜むあらゆるリスクをどのように考える べきか、継続的に文書で示してきました。そ れにもかかわらず、お客様は常に同じ結論に 達します。それは、パブリッククラウドを活用 することのメリットが、そのリスクと労力の両 方を上回るというものです。しかし CTP は、 多くの企業がこうした課題に適切に対処でき るよう支援してきた一方で、新たな「知られた くない秘密」 を暴き、それに対応する必要があ ります。 CTP では、パブリッククラウドの活用に向けた 取締役会レベルのビジネスケースを策定でき るよう、さまざまなお客様を支援しています。 こうしたビジネスケースには、お客様のデータ センターとお客様が選択したパブリッククラ ウドにおけるコンピュート、ネットワーク、およ びストレージのコストを比較する簡単な TCO の計算だけでなく、さまざまな内容が含まれ ています。また、お気付きかもしれませんが、 データセンターの統合や廃止など、大幅なコス ト削減をもたらす不確定要素も含んでいます。 そこには秘密などありません。 こうしたビジネスケースでは、他にどのようなこ とが明らかになるでしょうか。AWS、 Azure、 Google の各ハイパースケールプラットフォー ムで自動化が進む中、多くの運用スタッフが 不要になることが分かり、年間コストの大幅 な削減のターゲットにされている状況をよく目 にします。 CTP は、一部の職務が自動化によってなくな る可能性がある一方で、そうした職務にある スタッフが、なおも企業にとって大きな価値を 持つことを認識しています。お客様には、役割 と個人を切り離すとともに、企業が従業員を 育成するために、長年にわたって多くの時間、 労力、コストを投じてきたことを認識していた だきたいと思います。こうした従業員が、組織 全体の俊敏性と変革力を高めるうえで必要 なスキルを習得できるかどうかを確認するこ とは、利他的行動とはいえません。まさにこう いった従業員が、将来に向けての差別化要因 となり得るのです。 62 ページ以降で、最新の「知られたくない秘 密」を公開し、最も不要となるリスクの高い職 務の一部を明らかにしています。しかし CTP は、それぞれの職務をどのように変えれば企 業にさらなる価値を提供できるのか、また各 従業員がどのようにしてこのような価値の高い 新しい役割を構築できるのかも詳細に述べて います。こうした従業員が不要になるわけでは ありません。ただ求められる役割が、より良い 方向へと変化しただけなのです。 Bruce Coughlin 最高経営責任者 2018 年冬号 | THE DOPPLER | 1