The Doppler Quarterly (日本語) 冬 2016 | Page 20
クラウドレディアプリケーション
アーキテクチャー構築のための
5つのステップ
David Linthicum
クラウドレディアプリケーションの構築方法と
成功に必要なアプリケーションアーキテクチャーの概念をご紹介します。
アプリケーションを構築したことがあれば、実行するプラットフォームに特化して設計さ
れたアプリケーションはパフォーマンスと耐障害性が高く簡単に管理できることを容易
にお分かりいただけるでしょう。パブリックまたはプライベートクラウドプラットフォーム
向けの開発も例外ではありません。
しかし、プライベートまたはパブリッククラウド向けのクラウドアプリケーションの設計
と構築への取り組み方を正確に理解している人はほとんどいません。このようにスキル
と経験が欠けていると、企業が期待する価値を提供できない不完全な設計のアプリ
ケーションが作り出されます。
ここで述べるプロセスでは、従来のソフトウェア開発の概念を結びつけた段階的アプ
ローチを示し、クラウドで新たになることを概説します。それは、ベストプラクティス、
概念、成功のための手順を集めたものです。
1) サービスの集合としてのアプリケーション
クラウドアプリケーションは、クラウドサービス、つまり API を集合させた場合に最適
に展開できます。データからサービスを構築して、そのサービスを複合サービスまたは
完全な複合アプリケーションに組み込みます。
それがサービスベースまたはサービス指向アーキテクチャーの本質です。その概念を理
解する人が多い一方、開発者はいまだに、個別に活用できるサービスとしての下層機能
を公開するのではなく、ユーザーインターフェイスを重視して密接に連携させたアプリ
ケーションを開発する傾向があります。
クラウド向けアプリケーションアーキテクチャーの開発時に取り組むのは、多数のサー
ビスを基に構築された、結びつきの弱いアプリケーションを活用できる複雑な分散型
システムです。そうしたサービスもまたデータから分離することができます。アプリケー
ションサービスを、適切なマシンインスタンス上で実行して物理的に分離でき、サービ
18 | THE DOPPLER | 2016年冬号