The Doppler Quarterly (日本語) 冬 2016 | Page 12
DevOpsを成功させる
10のステップ
David Linthicum
企業にとって、クラウドでのアプリケーション開発の効果
的な方針を考えて DevOps に移行するのは往々にして簡
単ではありません。人、プロセス、テクノロジーを含め途
方もない数の変更を避けられないからです。DevOps とク
ラウドを主題とするエキスパートは、DevOps プロセスとテ
クノロジーを効果的に利用できるように組織を変革するた
めの膨大な量の作業と向き合います。
この記事では企業の DevOps への変革に役立つ 10 のス
テップを解説します。効果的な DevOps の開発と展開方
法だけでなく適切なツールの選択方法も解説します。
ステップ1: 現状の評価
まず、プロセス、テクノロジー、文化の現状について率直
に評価します。このプロセスでは、あらかじめ定義された
成熟度モデル ( 図 1 を参照 ) を使用します。これにより、
企業内の既存の人、プロセス、テクノロジーを測定しラン
ク分けできます。自己評価の結果は高いレベルに偏りがち
なため、サードパーティによる評価が最適です。
ステップ2: 最終目標の評価
今日のほとんどの企業がレベル 1 ( 場当たり的 ) にランクさ
れるため、このレベルでは非常に多くの取り組みが必要と
なります。このレベルの企業は、基本的に部門間の連携
がなく、責任を問うことで仕事を完了させることが多く、知
識を共有しないエキスパートを採用し、説明責任がないに
等しい状況です。テクノロジーの点では、IT の構築と展開
だけでなくテストも手動で行います。開発、テスト、展開
の環境に一貫性がありません。
レベル 5 ( 最適化されている ) の企業には、継続的に向上
10 | THE DOPPLER | 2016年冬号
する文化があります。これには、ゼロダウンタイムの展開、
イミュータブルインフラストラクチャ、そして柔軟性を重視
する姿勢が含まれます。ここが目標であっても、DevOps
が実現し始める段階でこのレベルに分類される企業はほと
んどありません。まだ到達していなければ、ここが最終目
標になります。
ステップ3: DevOps組織の定義
DevOps 指向企業の定義は、最も重要なステップであり、
最も難しいステップでもあります。多くの企業が、
このステッ
プが社員やプロセスにおける体系の変更であることを理解
していません。そのため、組織が必要なスキルを追加しな
い、または組織の定義をさらにあいまいにするとプロジェク
トは失敗します。
このステップこそ、企業に何があるのかをスキルの観点か
ら評価すべき時期です。このスキル評価により、スキルの
役割と目標を理解し、既存のギャップを判定し、そのギャッ
プを埋める計画を見極めます。
DevOps 関連の再組織化の一環として一時解雇を想像す
る人が少なくありませんが、基本的には再教育の問題です。
再教育の完了後は、新しく始まる DevOps プロセスに各ス
キルがいかに適合しているかを把握する必要があります。
開発組織によっては開発グループと運用グループを分けよ
うとする場合もありますが、その方法はすぐに機能しなくな
ります。効果的にアプローチするには、それらを DevOps
管理者という 1 つの役割にまとめます。開発に拡張が必要
になったら、
DevOps 管理者の数も増やします。これにより、
組織は小さくまとまり、機敏になり、構築と運用を行うシス
テム内の特定の目的に集中できるようになります。