JAPAN and the WORLD Magazine JULY ISSUE 2015 #Issue 12 | Page 67

ROBOTICS GRABIT Grabit, Inc. is a growing innovative company holding several patents, including that of electroadhesion, in the U.S. and elsewhere. 的だったように見受けられます。 当社はマシンビ ットは、人を魅了すると同時に不安に陥れます。 ジョンを内蔵した最新のコントローラを生産し、 人類は「先端」ロボットに対応できるとお考えで 最終製品の完成に信頼性の高いロボットアーム すか、 とりわけ倫理的な観点ではどうでしょうか? が必要でした。 しかし日本側は自社製ロボットの コントロール用に、 当社のコントローラを購入す A ロボット工学に用いられる最新の人工知能(AI) ることを渋っていたようでした。 日本の企業は国 技術は、人間の脳の機能のわずかな部分を再現 外の他社からの技術購入に、 もっと積極的にな したに過ぎません。AIの発展は非常に極めて目 る必要があると思います。 日本の企業も自身の優 覚ましいものがありますが、 まず用途が先行する れたロボット応用能力をパワーアップし、新しい 傾向にあります。言い換えると、数百万の画像サ 市場に参入し、成功を収められるようになるので ンプルの1つの画像を認識するAIは、 チェスの駒 はないでしょうか。 この点では、世界のすべてのロ の動きや音声認識、 自動翻訳に使用されるAIと ボット企業がオープンになる必要があると考えて は全く異なります。ロボット工学では、人間に近 います。 い汎用の意思決定能力を持たせる段階にすら至 っていないのです。その一方で、ロボットの用途 を定める際には、AIツールが開発され、使用され Q ロボット工学、特に高度な人工知能を備えたロボ ます。最終的に、工場の現場以外でもロボットの 活躍の場が加速的に増加することが予測されま す。 「不安」 という点については、問題ありません。 こ れに関して、私が理事と会長を兼務するロボット 工業会 (Robotics Industries Association) も、産業ロボットの用途に関して常に明確で具体 的な安全基準を設け、その見直し作業も継続し ています。 このような慣行は、 すべての市場および 用途のロボット工学に適用される必要がありま す。 「ロボットレスポンス」 の開発と試験に使用さ れるのと同じシミュレーションツールを使って、 仮想環境の危険なシナリオを開発することがで きます。 ここで、 アイザック・アシモフが 「アイ・ロボ ット」内で提案したロボット工学の三原則を引用 します。 この9つの短編から成る小説では、人間と ロボット、 モラルの相互作用が描かれています。 ロボットは人間を傷つけてはならず、 また怠 慢により、人間が危害を受けることがあって はならない。 ロボットは、第一の法則と矛盾する場合を除 き、人間から与えられた命令に服従しなけれ ばならない。 ロボットは、 第一または第二の法則と矛盾しな い限り、 その存在を自ら守らなければならない。 AIの開発者がこれらの原則に従い、 ロ ボット企業が安全基準を順守する限 り、 ロボット産業が目覚ましい成長を 遂げ、 万人の生活水準を高めるのを 期待できるでしょう。 Isaac Asimov, American author and biochemistry professor, wrote more than 500 books, including his collection of science fiction short stories I, Robot. AIの開発者がこれらの原則に従い、ロボット企 業が安全基準を順守する限り、ロボット産業が 目覚ましい成長を遂げ、万人の生活水準を高め るのを期待できるでしょう。 JULY 2015 // 67