Garuda Indonesia Colours Magazine October 2013 | Page 228
Jakarta | ジャカルタ
Jakarta | ジャカルタ
ジャカルタ-華やかな
大都会
ジャカルタは過去から自由になり、
アジアで最も勢いのある
ジャカルタには訪れる価値のある名所が数多くあり、
その多
都市のひとつとして台頭しつつある。
インドネシアの首都であ
くがガイドブックで詳しく紹介されているが、
ジャカルタの本
るこの都市に宿る魂の核心に、
デヴィッド・メトカルフが迫
当の魂は裏町とそこに住む住人の中に宿っていると私には思
る。
える。多様性と魅力にあふれたチャイナタウンとコタのエリア
が私は特に気に入っている。
チャイナタウンは90年代後半の
南ジャカルタにあるリッツ・タワーの屋上から街を見下ろす
激動の時代の後でようやく落ち着いてきたところで、
まだ傷跡
と、
カラフルな通りの風景が目の前に広がり、街中にあるモス
が残るものの、今では明るくビジネスライクなムードがある。
クから聞こえる音が響いてきた。
このエリアのハイライトと言えばグロドックの金徳院だ。
この
仏教寺院には非常に穏やかなエネルギーがあり、外の通りの
文:デヴィッド・メトカルフ
東を見ると、遠くにそびえ立つ3つの火山の頂上から暗い雲
慌ただしい雰囲気からひと休みするのに最適だ。
お香の匂い
が広がり、速度を増しながら街の方へと迫ってきて、今にも大
や、祈りや瞑想をする人々の穏やかな音に包まれて、
しばらく
雨が降り出しそうな気配だ。
近くのモールから聞こえる工事
過ごしてみる価値が十分にある。
ここにいるとストレスがすっ
の音は、迫り来る嵐など気にも留めず、休むことなく続いてい
と消えていくようで、寺院が建てられた1650年当時から時間
る。私の眼下には活気にあふれた通りがあり、頭上には会議
が止まっているような感じがする。
を終えて街の向こう側から戻ってくるインドネシア人ビジネス
マンのプライベート・ヘリコプターが飛んでいる。碁盤の目の
ジャカルタの人々の暮らしをもっとよく知るために、私は日曜
ように走る小道や細い路地の上には、
ひどくなる一方の渋滞
日の朝にコタ広場を訪れた。午前10時には大道芸人達が集
を解決すべく新たに建設された高架道路が通っている。
する
まり、火を飲み込む技などで集まった人々を楽しませてい
と突然稲妻が光り、土砂降りの雨が街を覆った。
た。
マジシャンの卵が子供達に手品を見せていたり、礼服を
着た男達がガムラン音楽に合わせてベルトでお互いを打って
ジャカルタは昔から熱帯性暴風雨に見舞われる地域だが、
こ
見せたりもしていた。
その向こうでは子供達が三輪車を乗り
こ数年で新たな都市開発が急ピッチで進み、一気に街が活
回して遊んでいて、