Garuda Indonesia Colours Magazine March 2015 | Page 198
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Saumlaki | サウムラキ
サウムラキ:
マルクの果ての謎
めいた街
文/写真:マーク・エヴェリー
ガルーダ・インドネシア航空が、新たにサウムラキへの便を就航し
た。
タニンバル諸島には冒険好きの旅行者の関心が集まり、
インド
ネシアの極東に近い島での伝統的な暮らしを体験しようと訪れる
人々が増えている。
予想通りに行かないものだ。
しかしこれもまた世
界最大の島国の果てまで旅する、醍醐味のひと
つでもある。一見したところ地味な
「探検」
に思え
るのも、
冒険心をくすぐられるものだ。幾度も旅
を重ねてきた私は、母なる自然が変化球を投げ
てくるときこそ魅惑的な体験が待ち構えている
のだと重々承知している。
その魅惑の体験はララット島にある、
のんびりと
した田舎町で過ごした夜には起こらなかった。
だ
が翌日の午後になって再び南へと戻る途中、私
達はこの諸島の宝のひとつに行き当たった。
もし
前日にフォルダタに行けていたなら、
サングリッ
ト・ドルという小さな美しい村を探検するチャン
スはなかったはずだ。
タニンバル諸島に60ほどある島の中で最大の
「スラマット・ボボ・ルシン!
(おはようございま
ヤムデナ島は、
ニューギニアとオーストラリアの
す)」―私は唯一知っている習ったばかりのヤ
ほぼ中間に位置している。
ヤムデナ島の北にはラ ムデナ語で、広場のそばにある木製のパビリオン
ラット島があり、
その北部に今も暮らしているフ
でひと休みしている笑顔の人々に挨拶をしてみ
ォルダ