Garuda Indonesia Colours Magazine January 2020 | Page 154

Japanese Section / モロタイ島 れていない。毎日、午前10時から日没までの間 は海が隔たれており、細長く伸びた砂浜が天然 の橋になっている。様々な緑の色合いをしたモ ミの木を眺めながら島の間を歩いていると、 ド ドラ島の写真を見ると誰でも訪れたくなってく る理由がわかった。  モロタイ島県内には合わせて30以上の島が あり、 すべてを訪れるとなると何ヵ月もかかって しまうだろう。最も大きく、 モロタイの西側に位 置するラオ島は、険しい地形のため訪れる人は ほとんどいない。残りの島々の面積はいずれも 5平方キロメートルを下回る。  この地域の島には、繰り返しの名前のものが 多いことに気が付いた。 ズムズム島以外にも、 ルベルベ島、 ルキルキ島、 カパカパ島、 ヌゲレヌ ゲレ島、 そしてガロガロ島がある。 サルワンがそ れぞれの名前の意味を説明してくれたが、繰り 返す理由はよくわからないのだという。 「もしか したら、私達の祖先は島の名前をユニークな響 きにしたかったのかもしれません」 と、彼は何気 なく言った。  モロタイ島は12年前に自治権を持つように なったのだが、 それ以前は北ハルマヘラ島県の 152 一部だった。 この地の農産物は極めて豊かで、 マルク諸島の大部分と同じく、様々な種類のハ ーブ、香辛料、多年生植物を産出している。 ま た、漁獲量も多い。 「モロタイ島で食べ物を見つ けるのは難しくありません」 とサルワンは言う。 この地域で大きな問題となっているのは交通 機関とインフラが整っていないことで、特に島々 と北部の地域の間が未整備の状態だ。 しかし 一方で、昔のままの場所や 「秘宝」探しに惹かれ る冒険好きな旅行者にとっては、 それが魅力の 一部であるとも言える。  秘宝と言えば、 モロタイ島周辺の海中は事情 通のダイバーにとって静かな人気スポットにな っている。小島の間や端に、傾斜のある豊かな サンゴ礁が広がっているのだ。登録されたダイ ビングスポットの数は、島の数に匹敵するほど の多さだ。 五感:視覚 ブンガ・ココタの滝  モロタイ島のダイビングスポットでは、 サメに 出会うことも多い。 ツマグロ、 ネムリブカ、 オグロ メジロザメが一緒になって泳ぎ回っており、南 岸沖のブラックティップ・ポイント、 グレイ・シャ ーク・ポイント、 ターミナル・グランゴ、 アル・ポイ ント、 ソレ・ポイントといった場所で簡単に見つ けることができる。 見るだけでは物足りないな 海に代わる観光地を探しているなら、東モロタ イのバクル山の斜面にある滝を目指そう。 5段 の滝までの道のりは、 ナツメグ農園を通り抜け、 美しい自然の景色に囲まれている。 ブンガ・ココ タという名称はこの地域に固有の花の名前に 由来している。